結論:ランチの回転で売上を組み立てていた江坂のイタリアンが、ディナーの訴求を「記念日に使える店」へ絞り込んだことで、ディナーの予約数が約1.4倍に伸びた。※要確認:数値は実績に差し替え
江坂エリアにあるこのイタリアンは、オフィス街という立地を活かし、平日ランチは満席になる日も多い状態でした。一方でディナーは、席が空いたまま閉店時間を迎える日が続いていました。「昼にこれだけ来ていただけているのだから、夜も来てもらえるはず」——オーナーはそう考え、ランチのお客様に向けて夜のメニューを案内し続けていました。
昼の賑わいが夜につながらなかった理由
ご相談をいただいた時点で、店頭のポスターもSNSの投稿も、ランチの人気メニューを軸にした内容が中心でした。夜の案内は「ディナーもやっています」という一文にとどまり、夜に何が食べられるのか、どんな時間を過ごせるのかは伝わっていない状態でした。
昼と夜では、お客様が店を選ぶ理由がそもそも違うという点が、この事例の出発点でした。昼のお客様が求めていたのは、短時間で満足できる食事と価格の見通しです。その軸のまま夜を案内しても、「昼に行った店」という記憶にはなっても、夜にわざわざ予約する動機にはなりにくかったのです。
加えて、江坂という立地の性質もありました。オフィス街は平日昼の需要が読みやすい一方、夜は仕事を終えた人が別の街へ移動しやすいエリアです。「近いから夜も来てもらえる」という前提が、そのままでは成り立ちにくい条件が重なっていました。
お客様への聞き取りで見えてきたこと
実際に夜に来店されていた少数のお客様に聞き取りを行うと、共通する利用理由が浮かび上がりました。誕生日や結婚記念日、家族の集まりなど、日常とは少し違う場面で選ばれていたのです。理由として挙がったのは、テーブルの間隔が広く落ち着いて話せること、料理の提供ペースを相談できること、そしてスタッフが記念日の相談に応じてくれることでした。
いずれも店側は「特別なこと」だと考えていなかった要素です。ここに、発信されていない強みがありました。
ディナーの訴求を記念日利用に絞り込む
この気づきをもとに、夜の発信を「記念日に使えるイタリアン」という一貫した軸に整えました。具体的に行ったのは次の三点です。
- 店頭とSNSの夜の案内を、価格中心から利用シーン中心の表現に書き換えた
- 記念日利用の際に相談できること(提供ペース、デザートプレート、席の指定)を明記した
- Googleビジネスプロフィールとグルメサイトのディナー欄を、同じ言葉で統一した
メニューそのものは変えていません。設備投資も行っていません。すでに提供していたことを、伝わる言葉に置き換えただけの取り組みです。
絞り込んだことで起きた変化
取り組みから数か月で、ディナーの予約数は約1.4倍に伸びました(※要確認:期間と数値は実績に差し替え)。あわせて、予約時に記念日の相談が入るようになり、当日の準備がしやすくなったという副次的な変化もありました。ランチの客数については、大きな落ち込みは見られませんでした。
オーナーからは「夜も同じお客様に来てもらおうとしていたことが、遠回りだったのだと分かりました」という声が寄せられています。
- 昼と夜でお客様が店を選ぶ理由は異なることが多く、同じ訴求では届きにくい
- すでに行っている対応の中に、発信されていない強みが埋もれていることがある
- 訴求を絞り込んでも、既存の時間帯の客数がそのまま減るとは限らない
この事例で行ったのは、新しい強みを作ることではなく、すでにあった強みを見つけて言葉にすることでした。夜の客数に悩む店では、同じように「当たり前だと思っていた対応」が、実は選ばれる理由になっていることが少なくありません。
夜の時間帯に空席が出ている店では、まず「夜のお客様は昼のお客様と同じか」を確認してみてください。違う相手であれば、伝える内容も変える必要があります。
よくある質問
Q. ランチのお客様に夜の案内をするのは無駄なのですか?
A. 無駄ではありません。ただ、昼と夜で来店理由が違うため、夜については夜の利用シーンに合わせた伝え方を用意しておく必要があります。
Q. 記念日向けに絞ると、普段使いのお客様が減りませんか?
A. 軸を明確にすることで印象が伝わりやすくなり、結果として普段使いのお客様が大きく減らないケースが多く見られます。
Q. メニューを変えずに予約は増えるものですか?
A. すでに提供している内容が伝わっていない状態であれば、伝え方を整えるだけで変化が出ることがあります。
ご自身のお店の夜の時間帯がどう伝わっているか気になった方は、無料の現地診断でご一緒に確認していくこともできます。
