結論:訪日観光客の来店を想定した発信を続けていた谷町のお好み焼き店が、実際に満足度の高かった家族連れのお客様に訴求を絞り込んだことで、週末夜の客数が約1.4倍に伸びた。※要確認:数値は実績に差し替え
谷町エリアにあるこのお好み焼き店は、大阪らしい鉄板メニューを揃え、観光で訪れるお客様にも喜ばれる店でした。SNSの投稿も英語表記を添えた観光客向けの内容が中心で、店内には多言語のメニューも用意されていました。それでも週末夜に空席が出る日があり、客数の読みが立たない状態が続いていました。
観光客向けの発信が届きにくくなっていた
ご相談をいただいた時点で、まず確認したのはお客様の構成でした。実際に来店されていたのは観光客だけではなく、近隣に住む家族連れが一定の割合を占めていました。しかし発信は観光客向けの内容に寄っており、実際に足を運んでいるお客様と、発信が向いている相手がずれている状態でした。
加えて、観光需要は時期や情勢によって振れ幅が大きく、店側で読みにくい要素です。その需要を前提に週末の売上を組み立てていたことも、客数が安定しない一因になっていました。
もう一点、多言語メニューや英語表記の案内が、近隣のお客様にとっては「観光客向けの店」という印象を強めていた面もありました。対応として用意したものが、意図せず届けたい相手を遠ざけていたという構図です。こうしたずれは、店の内側からは気づきにくい部分です。
お客様への聞き取りで見えてきたこと
来店された家族連れのお客様に聞き取りを行うと、選ばれている理由がはっきりと出てきました。鉄板を子どもと一緒に囲めること、待ち時間に飽きにくいこと、そして小さな子どもがいても周囲を気にしすぎずに済む雰囲気であることです。
店側は、これらを「お好み焼き店なら当たり前のこと」と捉えていました。しかし家族での外食先を探す立場からすると、この三点は決定的な判断材料になります。ここに、発信されていない強みがありました。
家族連れ向けの訴求に絞り込む
この気づきをもとに、週末夜の発信を家族での利用に軸を移しました。行ったのは次の三点です。
- SNSと店頭の案内を、鉄板を家族で囲む時間が伝わる内容に書き換えた
- 子ども用の取り分け皿やエプロンの用意など、すでに対応していたことを明記した
- Googleビジネスプロフィールに、家族利用に関する情報と写真を追加した
多言語メニューをやめたわけではありません。観光客向けの対応は残したまま、週末夜という時間帯に限って、届けたい相手を明確にした形です。
絞り込んだことで起きた変化
取り組みから数か月で、週末夜の客数は約1.4倍に伸びました(※要確認:期間と数値は実績に差し替え)。あわせて、家族連れの再来店が増え、週末の客数が読めるようになったという変化もありました。予約時に子どもの人数を伝えていただけるようになり、席の準備がしやすくなった点も現場の負担軽減につながっています。
オーナーからは「観光のお客様を狙うことばかり考えていて、近所の方に来ていただいていることを発信していませんでした」という声が寄せられています。
- 実際に来ているお客様と、発信が向いている相手はずれていることがある
- 読みにくい需要を前提にすると、客数の見通しが立ちにくくなる
- 当たり前だと思っている対応が、別の立場から見ると決定的な判断材料になることがある
この事例で行ったことは、新しい客層を開拓する取り組みではありません。すでに来ていただいているお客様に向けて、伝え方を合わせただけです。客数に悩む店では、まだ出会っていないお客様を探す前に、すでに来ているお客様を見直すほうが早い場合があります。
発信の相手を決めるとき、店の希望から考えるか、実際の来店実績から考えるかで結果は変わります。多くの場合、後者のほうが早く成果につながります。
よくある質問
Q. 観光客向けの発信はやめたほうがよいのですか?
A. やめる必要はありません。時間帯や曜日ごとに届けたい相手を分けて考えることで、両立できるケースが多くあります。
Q. 家族連れ向けにすると単価が下がりませんか?
A. 人数での来店が増えることで、一組あたりの売上が上がるケースがあります。単価だけでなく組単位で見ることが有効です。
Q. 実際に来ているお客様の構成はどう調べればよいですか?
A. 予約時や会計時の聞き取り、席の使われ方の記録など、日々の営業の中で把握できる情報から始められます。
ご自身のお店が届けたい相手と実際のお客様が合っているか気になった方は、無料の現地診断でご一緒に確認していくこともできます。
